風俗の世界。
面接と称したレイプから、私はその男のもとで働きだした。
区役所通りの奥の方。清潔とも言えない部屋で、男が連れてくる客とひたすら寝る。
黒人の時もあれば、トランクスを履いた女性の時もあった。
客と客の間の隙間の時間
ベッドに身を投げ出して、天井を見つめながら
あーどうしてこんなことしてるんだろう。と
ぼんやり思う日々だった。
抱かれるたびに思い出すのは、父のことだった。
お父さんは、どうして私を触っていたのかな。
そう口に出すと、涙が出た。
半年お休みをして、アメリカ留学をしたこともあったけど、そこでもメキシコ人にレイプされた私だった。
どうして?なんで私はこうなんだろう。
どこか麻痺した頭で、ぼんやり考えていた。
それからも、私は度々似たような目にあう。
警察には、誘ったんじゃないの?とか、酔ってたんでしょ?とか言われるのが余計に傷つくので
通報したのは二度だけだ。
私がいけないんじゃないか。
次第にそう思うようになっていくんだけど
まだ謎はとけないままだ。