こどもを産むということ。
私は、4回妊娠したことがある。
出産したのは2回。あとは、子宮外妊娠と、流産。
1度目に産んだ女の子は、今どこにいるのか、もうわからない。
その子の父親は優しい人だったけど、たまに私を殴った。犬のことも殴った。
妊娠中に手首を切って救急車で運ばれたことがある。今も手首には傷跡が残っている。
私を追いつめたのは、とある医者の言葉だった。
妊娠後期に、情緒不安定だった私を、夫は精神科に連れて行った。
そこで、言われたのだ。
どうしてこんなになるまでほっておいたの?中絶することもできたのに。
目の前が真っ暗になった。
産んではいけない。私には育てられない。そう、宣告されたと思った。
出産してからすぐに、精神科に入院した私に、夫が女友達と付き合いはじめ、結婚するから離婚をしてくれと言われたのは、生後半年にも満たない時だっただろうか。
赤ちゃんを抱いて見舞いにきた姑が、私が抱くことを拒んだことを、入院中の仲間たちは見ていた。
ひどいお姑さんだ。と、口々に言うみんなに
そんなことないんだよ。いいとこもあるんだよ。と、かばう私は、その夜ロッカーの鍵を使って、また手首を切ってしまった。
それが決定的になり、私たちの離婚は決まった。
それから数ヶ月後、赤ちゃんと、その人と、会った。はじめて、うどんを食べるその子をみた。作っていったぬいぐるみを、触ったのを見た時、涙が出た。
奥さんが赤ちゃんを連れて実家に行ってしまって、その人と2人になった時
押し倒されて、行為がはじまり、避妊されなかった。
その瞬間、ま、いっか。とその人が言った時には、涙は出なかった。