屋上からの夜景。
高校を出てすぐ、私は上京した。
大学に通いながら、演劇がやりたいと思っていた。
サークルの勧誘は、どれも私には賑やかすぎて、なにか部活をやろうと部室めぐりをしていたら
探検部という看板を見つけた。
ドアをノックすると、金髪の男の子がマンガ片手に出てきて、
入部?俺も一年だよ。と言う。
彼との出会いも大きな思い出だけど、ここで話すのは同じ学年のセクシーな女子たちのことだ。
田舎から出てきた私には、生まれも育ちも東京のその子たちは、どうしても同い年には見えなかった。
豊かな胸に、キュッとしまった腰。程よく大きなお尻。ロングヘアをかきあげながら、先輩たちに明るくお酌をする。
芋だ。私はもっさい芋だ。女としての自信をなくすほど、その4人は完璧だった。
キャバクラでバイトしていると聞いて、妙に納得したのを覚えている。
あっちゃんは?体験入店いってみる?
と聞かれて
えー私には無理だよ。と遠慮しながらも、その高額な時給にひかれていた。
その中の1人と仲良くなって、
一緒に夜な夜なクラブ通いをするようになる。
私はどんどん夜行性の人間になっていった。
バイトしなきゃな。と思い
歌舞伎町にある居酒屋の面接に行った時だ。
面接に現れた男が、今日は違う場所でやるといい、その辺のビルの階段をずんずん登っていく。
私も慌ててついていく。
ついた場所は、屋上だった。
発せられた言葉は一言。
パンツぬいで。だった。
そこから、私の人生はゆるゆると狂っていくことになる。