7.キスの温度。

「ね、その前に一回ちゅーしたいよ。」

と甘えてみると

島田さんは笑う。

「どうぞ。」

と目を閉じた顔は、子どもみたいに笑いをこらえている。


唇をつける。舌で上顎を丁寧になぞる。

「昨日エロ動画みててさ、こんなことしてたの。」

と言うと

ぶーっと吹き出す。

「あなたね、ムードってもんがないのかい」

と笑いながらぎゅっと抱きしめてくれる。


軽くキスして

「どんなのみたの」と聞くので

あっちゃんは得意げな顔で

「寝起きドッキリからの早朝ハメみたいなやつ。」

というと


島田さんは爆笑した。

「なんでもありだな!AV業界!」と腹を抱えて笑っている島田さんに


今度は何も言わずにキスをする。

目が合う。

する?と目で話す。


「よし!ピンクレンジャー合体だ!」

と勢いよく島田さんがベッドに向かうのを


声を出して笑いながら、追いかけて後ろから抱きつく。


2人で笑いながらベッドに倒れこんで


好きで好きでたまらない顔で見つめ合いながら、


シマくんのお迎えまでに話が終わらなくてもいいや。と


あっちゃんは思っていた。