こどもを産むということ2
七五三に、姑からその子の写真が送られてきた。
ポストにそれを発見したのは私で、裏庭に続く砂利道に座り込んで開封して、それを見た。
あの時、私の脳の回路が、いかれてしまった。雄叫びをあげて泣く私を、両親が引きずって家の中に入れたらしいけど、私は覚えていない。
数えきれない男と寝たけれど、男たちにその写真を見せていたことは覚えている。
引っ越しの度に持ち歩いていたら、今はどこかにいってしまった。
それでいいのだと、1度も探さなかった。
たまに、思うのだ。
シマくんは、ほんとにいるのだろうかと。
何度も何度も、途中で死んでしまうことを想像した。
私に子どもがいるわけがない。この子はいなくなって当然の存在なのだ。
そう、信じていた。
けれどシマくんは、今日も元気で
私を求めて抱きついてくるのだ。
しあわせだ。そして同時に、今この子がいなくなっても、私は何も変わらない。と思う。
いついなくなっても不思議ではないから、どんなに優しくしても足りない。
そう思っている。
ねぇ、シマくん。早く出て行ってね。ママはこんなしあわせに耐えられないんだよ。